木魂する

押し付けられた　其れが

異物を飲み込むかの様に

自覚が無いこの呼吸と一緒に

俺の全てを握って潰すかの様に



手の平に残るその感触が

平気で笑ってた御前の顔と共鳴して



痛い

痛い



こんなの俺の声じゃない



痛い



痛い



軽蔑するなんて言っても結局は俺自身の問題なのにな

嗚呼 こんなに好きだよ

コンプレックスを背負う君と

その事に全く気付いて無い相手に

少し声を上げて罵りたくなった



だって



余りにも自分の境遇に似てて　笑いたくもなるよ　君に　僕に

サディズム

ああ　声を張り上げて笑いたい

可笑しい

可笑しい

可笑しい



この自己嫌悪　君には見苦しいのかな



何よりも好きだよ



分かる？



こんな風に欠片でしか話さない僕に万歳

こんな風に曖昧に誤魔化す僕に万歳



楽しい

楽しい

楽しい



噛み付いて

食い千切って

君が何よりも美味で　美味で　甘美で



この自業自得　僕には十分自覚が在るさ



何よりも愛してるよ



知ってる？



ああ　可笑しい

ああ　可笑しい

可笑しい



又そう言う軽蔑した目で見るから僕には罪悪感なんて一切無いよ

早すぎた埋葬

犠牲になる等幾ら嘆いても敵う訳は無く

叫び声を張り上げても地上から其の白い腕は私を慰めない



嗚呼悲劇なるこの墓前で私を隔て

垂れた頭を後に哂う心が有りうるものか

舞踏会へとの足踏み

其の長い髪が滴り落ち

この腕に抱かれて　霞み行く其の純白

自負する程の幻想では消して在るまいと拒否した手は

其処に打ち込むかの模様に私の心臓を貫き　染める程の暗闇で



闇に抱かれし心の光

愛し　愛でた個の涙を促す蝶の様に

暗い表情でこの漆黒を受け入れる



装飾の紅と

姿眩ます絶唱の狭間に



瞬く程の一秒で

殻

好き　だとか

愛してる　だとか



ああ　波が押し寄せてくる



窒息して

縛られた視線に



ああ　少し怖いね



こんなにつまらないのに

こんなに軽蔑されても



ああ　卑怯な言い様だけど楽しい











その嫌悪感含んだ微笑み　中々良い出来さ

打ち付けた だから

壁に穴を開けた



隣の喘ぎ声と

貴方の心細そうな泣き声が



私は　指を入れて





引き千切れた心が

だから





壁に穴を開けた





川の流れる音があたしの脳裏に焼き付く

頂点に立ちたい

叩き潰され這い蹲る姿は可笑しいですか　諸君

私にはとても笑えます

此処で今無様な姿を見せるのは初めてではなく

何回も何回も罵られた後が鮮明に残ります

切り裂かれるような痛みは心に残る旋律だから

だから　何回でも甚振って下さいませ　諸君



何時かは御前らの薄汚い面を踏み躙って伸し上がってあげるから

最低で最悪なのは分かってるから

頭を下げている自分に対して薄笑いを浮かべる貴方は

何時も通り素敵な衣に包まれて

私は何時も通り御喋りを続ける　御機嫌如何、と

緊迫した空気が凍て付くほど素直に纏わり付くのに



信頼って言葉を一言で締め括って

私は貴方の前に一歩踏み出せば　一歩引いて

自分が他人の方向に目を降らせれば

自業自得で自滅する　私を御許し下さいませ



不器用って言うわけでもなく

私が一番嫌いな自分を愛そうとするだけで

それだけで一番大切な物を蔑ろにして

矛盾の上に重なる矛盾で私は少し頭をかしげる



引き摺って

引き摺って



如何したものか　自分が分かるまでにはもう日が暮れ鴉が啼く

もう何も無いけど

ずっと

ずっと

希望の中に潜んでた

ずっと

ずっと

置き去りにしてた憂鬱とか

ずっと

ずっと

大切にしてた抜け殻とか

ずっと

ずっと



此処に居たって証明したから　もう何も変わらないでね